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勉強会『高齢者の安心な暮らしを考える』のご報告



10月30日(月)日野市大坂上の大久保地区センターにて勉強会を実施いたしました。

『住み慣れた地域で安心して暮らすために』というシリーズ企画の第1回目として、『高齢者の安心な暮らしを考える』と題し、勉強会を開催したものです。


勉強会では、講師に株式会社こたつ生活介護高齢者住まい相談室こたつ室長の松田朗氏をお招きし『高齢期の『住まい』の課題と対策』についてお話し頂きました。


このブログでは、勉強会の内容をご報告いたします。



第一部:講演 『高齢者の安心な暮らし』を考える

講師 :株式会社こたつ生活介護 高齢者住まい相談室こたつ 室長 松田 朗 氏


高齢期の住まいの困りごと

心身の変化に伴う問題、建物老朽化による立退きの問題、ゴミ出しや片付けの問題、

経済的な問題、身寄り問題などがある。


高齢者の住み替え事情と民間賃貸アパートという選択

家賃債務保証会社の審査が必須で身分証明、収入証明、緊急連絡人が必要になる。

審査が通過した後に家主の許可が得られると、初期費用(一般的には家賃の約5か月分に引越し費用を加えたもの)の支払い、契約となる。状況に応じて連帯保証人を求められることもある。入居を断られないようにするためには、入居後の見守りや生活相談、支援体制を予め作っておくことが、家主の不安軽減につながる。また孤独死の問題も家主が不安に思う主要な要因であり、身元保証や任意後見、死後事務委任などを取り入れることで、その不安を軽減できる。その一方で、これらの支援には費用がかかるため、経済的に難しい方へは対応できず、課題が残る。


地域包括ケアシステムにおける居住支援法人の役割

地域包括ケアシステムでは、住まいを中心に医療、介護、生活支援・介護予防を行う地域活動団体、自治会、生活相談やサービスのコーディネートを行う地域包括支援センターやケアマネージャーなどが連携して支援対象者のサポートを行う。この地域包括ケアシステムの「住まい」に関する支援を行うのが居住支援法人である。

 

高齢期の住まいとしてのサービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム

身体は比較的健康であるが独居生活に不安がある場合、サービス付き高齢者向け住宅やケアハウス、軽費老人ホーム、支援付シェアハウスといった施設がある。在宅生活が難しく、特別養護老人ホームへの入居が難しい場合は、介護付き有料老人ホームや特定施設のサービス付き高齢者向け住宅、認知症高齢者グループホーム等の選択肢がある。

安価なサービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームがあるが、介護度が要介護1以上必要という条件があるところや介護保険の限度額まで利用となることが多いこと、併設のデイサービス利用が前提であること、自由に外出ができない場合があることなど、注意をしながらその人にあった住まいの選択をする必要がある。


持家で生活が困窮している場合の資金を得る方法

社会福祉協議会の不動産担保型生活資金貸付や民間金融機関のリバースモーゲージ、リースバックなどがある。リースバックは、自宅を売却して賃貸住宅して借りて住む形になるので資金が不足しないか慎重に検討する必要がある。

自宅の売却とその後の住み替えに関しては、居住支援法人がサポートできる。

居住支援法人では、自宅の売却の手順に従って依頼者の状況に合ったタイミングでの売却、住み替えを提案することができる。



第二部:質疑応答・意見交換会


(1)地域の課題

 ・豊田駅と日野駅間の路線バスの問題

  今年の4月から豊田駅と日野駅を結ぶ路線バスの運行が1時間に1本と減便された。

  減便の理由は、利用者が減ったためということだが、高齢者の通院に欠かせない交通手段。  

  自治会で署名を集め、バス会社と日野市に届ける予定となっている。

  (意見)自家用車を利用して地域の人を病院に連れて行ったりしている自治体もある。


 ・坂や歩道の狭い道路が多く、ベビーカーや車いすでの歩行が大変である

 ・地域のつながりが希薄になっている問題

 ・地域資源の情報が行き届いていない


(2)有償ボランティア

 日野市では有償ボランティア「ちょこすけ」というサービスがある。

 電球を替えるなど、基本的に30分程度で終わる作業を地域の助け合いの関係性の中で行うサービスになっている。この取り組みでは、相談ニーズと対応者のマッチングが重要でとなる。マッチングは、地域団体が行っていて団体によっては上手くできていないところもあり、課題が残る部分である。


(意見)関係の近すぎる人だと頼み辛いこともあり、お金を払ってでも少し関係性の離れた人に頼みたいという人もいるので良いサービスだと思う。


(意見)サービスを知らない人も多いのではないかと思う。周知が大切である。 


(3)居住支援の入居後のサポートの大切さ

 居住支援は、入居までの支援が重要であるが、入居後の支援も同様に重要である。

 特に医療や介護に関わっていない人が入居後にその地域で安心して暮らせるように生活のサポートが必要となるケースがある。居住支援法人がそこに対応しても動いた分の費用を受け取ることが出来ず、難しい部分でもある。


(意見)地域包括支援センターなど地域にある資源を伝えておき、何かの時に自分で繋がれるようにしておくことが大切である。


(意見)高齢者のIT支援のようにちょっとした困りごとを地域の色々な人がかかわり、解決していくことができるつながりをつくること、地域で集まる場、地域の身近な情報が得られる場が必要になってくる。居住支援のネットワークを広げていきながら地域の人の力で対処していくことがこれから求められてくるのではないか。


(意見)居住支援法人がコーディネータ的な役割を担うとよいのではないか。自治会が管理会社と契約して管理人を内部に入れるというアイディアがある。自治会員のメリットとしては、互助組織として自治会員が共同で管理人を雇うことでひとり当たりのコストを下げることができ、管理人の支援を受けることができる。この管理人のような役割を居住支援法人が担っても面白いかもしれない。


(4)多世代交流・コミュニティの場

 場をつくれば人が来るというわけではないが、継続して行っていくことが大切で、続けていれば自然と認識されるようになり、人が集い、関係性が生まれてくる。共同住宅の場合、夕食づくりを共同でやったり、庭を自分たちで管理したりするなど、一見面倒だが生活で必要なことを自分ひとりで行うのではなく、みんなで行う仕組みにすれば、何か特別なイベントをすることなく、自然と関係性が出来てくる。そのような仕組みを地域の拠点でやっていくことがこれから必要なのではないか。

  

(5)これからの居住支援

 居住支援は、住まいの問題だけではなく、生活の様々な困りごとも一緒に相談が入ってくるのが実情である。そのような中で、居住支援法人がどれだけ地域資源と繋がっているかが需要となってくる。これからの居住支援は、これまでの地域包括ケアシステムのような関係機関や団体との連携から地域の人と人とのつながりをつくっていく、より網の目の細かいネットワークづくりが求められるのではないか。この仕組みができれば、関係性が近すぎて頼みにくいという部分も解消されると考えられる。「何が出来るか」と「何をしてもらいたいか」を繋ぐ役目が居住支援法人にあるのではないだろうか。











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